2008年3月5日水曜日

変形性股関節症の手術

変形性股関節症の病状が進行していたり、保存療法でも痛みが和らがない場合は手術を行います。
股関節の形を整え股関節を安定させたり、痛みを緩和したり…基本的に手術は変形性股関節症の進行を予防するために行います。

手術には「関節鏡を用いる方法」「関節の形を直す」「人工関節に置き換える」この3つがあります。
実際手術を行う状況になったら、必ず各方法について担当医から詳しい説明を受けましょう。

変形性股関節症の進行状況、痛みの度合い、生活環境、年齢などを考慮してから、総合的にどの手術が良いか判断されます。
手術内容はもちろん入院期間、手術後の経過を詳しく聞き、納得してから手術方法を選択しましょう。

また、痛みがあまりないのに手術を勧められることがあります。
これは近いうちに進行すると明らかに予測される場合です。
どうして手術を受けた方が良いのか、よく聞き理解する事も大切です。

2008年2月14日木曜日

関節鏡を用いる手術

関節鏡を使った手術は、関節の表面を削って平らにし、軟骨の破片などの刺激で炎症が起こる事による痛みの発生を防ぎます。
術後は痛みが緩和され、股関節が動かしやすくなるのですが、この手術は股関節の形の異常を直すわけではありません。
故に、状況によっては症状が再発する恐れがあります。

この手術は全身麻酔の上で行ないます。
股関節の周辺の皮膚に1㎝程度の孔を3つ開け、関節鏡(内視鏡)を入れます。
関節内がモニターに映るので、それを観察しながら、関節軟骨の表面の骨を削り平らにします。
手術時間は3時間程度。傷跡も小さく目立ちにくいです。
体への負担も少なく入院期間も1~3週間程。
他の手術法に比べ短いです。

2008年1月30日水曜日

関節鏡を使った手術を受ける場合

以前、関節鏡を使った手術法は、病状初期の患者だけが対象でした。
近年は、変形性股関節症が進行していても行うようになり、普及率も高くなってきました。
ただ、どの病院でも受けられるというわけではないのです。

股関節の関節鏡技術は古くからあったのですが、技術不足や教育などの問題からなかなか普及しませんでした。
股関節は体表から深いところにあり、狭い為、かなり高度な技術が要求されます。
この手術を行いたい場合は担当医に相談し、関節鏡を使った手術が可能な医療機関を紹介してもらいましょう。

2007年12月2日日曜日

関節の形を直す場合

股関節の形を直す手術は、20~60歳くらいの人が対象で、股関節の変形を直し、股関節を安定させるのが目的です。
全身麻酔をし、骨盤の横辺りの皮膚を縦に10~15㎝ほど切開します。
基本的には骨盤側と大腿骨側のどちらかの手術なのですが、まれに両方一度に行う場合もあります。

①股関節が変形し、臼蓋のかぶりが浅くなっている場合
骨盤を切って横にずらし、大腿骨頭を覆うように臼蓋を補います。

②臼蓋が浅く、大腿骨が完全にはまっていない場合
臼蓋の一部をくりぬき、ずらして大腿骨頭が関節軟骨で覆われるようにします。

③臼蓋形成不全によって臼蓋が足りない場合
骨盤の一部から切除した骨を臼蓋に移植します。

④大腿骨の角度が異常な場合
大腿骨を切って角度を調節し、金属製のプレートで固定。
切った部分に骨盤の一部を移植することもあります。

手術は平均1時間半~2時間。一般的な入院期間は1~2ヶ月です。

2007年11月22日木曜日

人工関節に置き換える

変形性股関節症が末期の場合、人工関節に置き換える手術を行います。
人工関節の寿命の問題から、股関節の変形が極度に進んだ60歳以降の人を中心に行うケースが中心です。

手術は全身麻酔で行い、まず骨盤の横側の皮膚を約10cm切開します。
人工関節は臼蓋と大腿骨頭がセットになっています。
傷んだ股関節を取り除いたら、それぞれを骨盤と大腿骨に固定します。

入院期間は1ヶ月ほど。
手術時間は1時間半程度で終わります。

術後は、痛みが殆どなくなり、安定するため、想像より早いう段階で股関節へ体重がかけられるようになります。
その後、日常に支障なく生活が送れるようになります